※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                                            セルフ・カウンセリング          ♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪             ( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!) ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                     第 385 号  2023 年 3月   15日 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※    みなさん、こんにちは。    「 セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪ 」    をお読みいただきありがとうございます。    みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を    耳にしたことがおありですか?    これは、渡辺康麿氏が創案した、    書いて読む、一人で出来る自己発見法です。    私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、    みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、    同氏の著書を連載することにいたしました。    楽しくお読みいただけたら幸いです。   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜    連載になっております。興味のある方は、    バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。       1号〜    「自分の心に出会える本」     23号〜    「自己形成学の創造」     32号〜    「セルフ・カウンセリングの方法」     62号〜    「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」    136号〜    「大人の自己発見・子どもの再発見」 176号〜    「自分を見つける心理分析」 286号〜    「避けられない苦手な人とつきあう方法」 334号〜    「わかっていてもイライラするお母さんへ」 356号〜    「小学生にわかっていてもイライラするお母さんへ」     376号〜 新連載「反抗期とわかっていてもイライラするお母さんへ」  バックナンバーはこちら→https://secure02.red.shared-server.net/www.self-c.net/mg/index.html   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜* ************************************** **************************************    人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、    いろいろな経験をします。        そして、その経験を通して、    「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう    その人なりのモノサシを形作っていきます。    自分の生い立ちを振り返ることによって、    無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、    そのとらわれから自由になっていく方法を    自己形成史分析といいます。    セルフ・カウンセリングという方法は、    このような、自己形成史分析という    自己探究の方法が基礎になっています。        ☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆    セルフ・カウンセリングでは、    自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。        家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。        テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、    相手がいない場面も大切な題材になります。    もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。    専門知識も必要ありません。        自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、    時間の順にそのまま書くと、リポートになります。    まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。    その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。        そして、相手の気持ちがわかります。        そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、    心を通わせてゆくための知恵が生まれます。        人間関係のすべてに共通する心のからくりを、    自分の経験を通して学ぶことができます。 ************************************** **************************************              「反抗期とわかっていてもイライラするお母さんへ」       中・高校生の心が見えてくるセルフ・カウンセリング                                    渡辺康麿著  より抜粋    ( vol . 10 ) ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++          ─ お母さんたちのセルフ・カウンセリング体験記 ─     ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++              3 試験前にビデオなんか            見るなんて!                      抑えていたホンネが娘に            伝わっていたことに気づいて     川口奈津子           勉強したくてもできない娘の気持ちを受けとめよう! ( 体験記 3 ー 前半 )  ☆★☆ 適当にごまかしてやり過ごして来た ☆★☆  娘の祐美子は、中学三年生です。  高校入試を控えているというのに、祐美子には、勉強しよう、という意欲が、少しも見られません。  もっとも、祐美子が勉強しないのは、今に始まったことではありません。  小学校の頃から、祐美子が一生懸命に勉強する姿を見たことがありません。  いつも、チョコチョコっとその場をごまかすようなやり方をして、何とかやり過ごしてきています。  宿題にしても、寝る前に、十分くらいですませてしまいます。  宿題をやるのは、時間がかかりそうだな、と思うと、わざと忘れて行きます。  時間をかけて宿題をする面倒さと比べたら、忘れて先生に怒られるほうが、まだましだ、というわけです。  また、学校で、友達のノートを写させてもらうことも、多々あるようです。  友達のお母さんから、半分冗談のように 「祐美子ちゃんに、見せてって言われると、断れないんですって、祐美子ちゃんて、トクな性格ね」  と言われた時には、顔から火が出る思いをしました。  ☆★☆ いつか、成績は下がるのではないかしら ☆★☆  そんないい加減な態度で、祐美子はこれまでやってきました。  にもかかわらず、祐美子の成績は、どういうわけかずっと中の上くらいでした。  良いときは、クラスの上位のこともありました。  なぜだろうといつも不思議に思っていました。  私自身は、祐美子とはまったく反対のタイプでした。  要領の悪いところは、努力することでカバーしてきました。  そんな私でしたから、勉強に対する祐美子のいい加減な態度は、どうにも理解できません。  <こんなに怠けていても、まあまあの成績がとれている。   頑張ればどんなに伸びるだろう。   そのことに、早く気がついてほしい>と思い、祐美子に対してイライラしていました。  それと同時に  <こんないいかげんなやり方が、いつまでも通じるわけがない。   いつかは化けの皮がはがれる。きっと、成績がガタガタと下がる時が来る>とハラハラしていました。  ☆★☆ きつい言葉が出るようになってきた ☆★☆  私は、これまで何度か、祐美子に注意をしてきました。 「今は良くても、いつかボロが出て、ついていけなくなるわよ」とか 「そんなやり方では、本当の力にはならないのよ」とか言ってきました。  そのたびに、祐美子は「わかった、わかった」と言います。  それが、口先だけであることは、わかっています。  でも、あまり口うるさくすると、親をけむたがるのではないかと気になって、見て見ぬふりをしてきました。  けれども、来年は、受験があるのです。  いつまでも、このままでいいはずがありません。  最近は、心配のあまり、お説教することが多くなりました。  すると、祐美子は、「うるさい!」と言って、自分の部屋に引きこもってしまうのです。  きつい調子で言うことは逆効果だと、わかっているのですが、つい、きつい言葉が口をついて出てしまうのです。  ☆★☆ 祐美子の心が見えない ☆★☆  私の心配していたとおり、祐美子の成績は、だんだん下がってきました。  中学二年の一学期までは、クラスのなかで、中くらいの成績でした。  ところが、中学三年の一学期では、ビリから数えたほうが早いほどの成績になったのです。  気が気ではなく、私は、家庭教師につくことや塾に行くことを祐美子に勧めました。  ところが、祐美子は、どちらにも気乗りがしない様子で 「私は、自分で勉強するからいいの。誰の力を借りなくたって大丈夫」と言うのです。  ここまで下がってしまった成績を、元の成績に戻すのは、並大抵の努力ではできないことです。  それどころか、祐美子が少しばかり勉強しても、  他の子がもっと頑張って勉強すれば、かえって成績が下がってしまうことさえ、考えられます。  そう考えると、私はいてもたってもいられない気持ちにおそわれました。  祐美子に対して、勉強しなさい、と指示するのは得策ではありません。  それは、充分にわかっているのです。  でも、ことの重大さを自分でわかって、努力するならともかく、  今の祐美子の様子は、私の心配など、どこ吹く風という感じです。  祐美子には、全く自覚がないのです。  ここまで成績が落ち込んでも、まだどうにかなると、思っているのでしょうか。  それとも、高校なんて行かなくても良いと、開き直っているのでしょうか。  <祐美子の心が、まるで見えない。祐美子は、これからどうなってしまうのだろう。   私は、どうしたら良いのだろう>と、祐美子のことを考えると、夜も眠れなくなってしまいました。  そんな日が続いていた時のことです。  市のお知らせの中に、セルフ・カウンセリング講座の案内を見つけました。  この講座の副題には、“子どもの心が見えてくる”と書かれていました。  その副題に、私は心ひかれました。  <この講座を受ければ、祐美子の心が見えてくるかもしれない。   祐美子の心が見えてきても、それでどうなるものでもないかもしれない。   けれども、少なくとも私の気持ちは落ち着くだろう。   とにかく、この講座を受けてみよう>そんな気持ちで、私は受講の申し込みをしました。  ☆★☆ 書くカウンセリング ☆★☆  受講してみて、私は、セルフ・カウンセリングが、書くカウンセリングであることを、初めて知りました。  私は、筆まめな方で、日記をつけたり、友達に手紙をだしたりするのが好きです。  それで、書くカウンセリングであることは、私にとっては好都合でした。  私は、どちらかというと話し下手なのです。  もし、普通のカウンセリングのように、  先生に何かお話ししなければいけないようだと、困ってしまっていたかもしれません。  ただ、先生から、書き方のルールをお聞きして、  それがあんまり簡単なものなので、ちょっと拍子抜けしてしまいました。  そして、  <相手と自分とに分けて、具体的に書く、ということなら、日記や手紙の書き方とたいして変わらないじゃない。   それくらいのことだったら、今までだって、していたわ>という不満も、ちょっと感じました。  けれども、いざ書き出してみて、それが大きな間違いであったことがわかってきました。  ■初めて書いた場面  【場面説明】  一学期の期末試験の前日のこと。私は、いつものように、五時過ぎに仕事から帰宅した。  由美子は、居間でビデオを見ていた。それは、祐美子のお気に入りのロックバンドに、ライブビデオだった。  【場面記述】  私は<祐美子、勉強しているかしら。     いくらあの子でも、試験の前日なんだから、机に向かっているはずだわ>と思った。  私は、玄関のドアを開けた。  歌とバンドの演奏が、居間から聞こえた。  私は<え?あの子、居間にいるの?居間で音楽聞いているの?     こんな時に、音楽聞いている暇なんて、ないはずじゃない。何やっているのよ>と思った。  私は居間に入った。     祐美子は、ソファーに座ってテレビを見ていた。  私は、テレビを見た。  テレビには、ロックバンドが映っていた。  私は<あきれた!試験前日だというのに、ビデオなんか見ている!     きっと、全然勉強していないんだわ。いったいどういうつもりなんだろう>と思った。  私は「ただいま」と言った。  祐美子は「おかえり。お腹すいたよ。早くご飯にして」と言った。  私は<何をのんきなこと言ってるの!試験勉強もしないで、ビデオなんか見て!     明日から試験だというのに>と思った。  私は「祐美子、明日から試験でしょう?」と言った。  祐美子は「そうだよ」と言った。  私は<そうだよじゃないわよ。早く勉強しなさいよ。もう、のんきなんだから。     でも、きつく言っても、逆効果だわ。     最近は、すぐに一言、『うるさい!』って言って、部屋にこもってちゃうんだから。     自分の部屋にこもったって、勉強するわけじゃあないし。     ここは少し利口にならなくては。祐美子が自分で、勉強しなければと思うように話しかけなくちゃ。     なんて言おうかな?まずは、当たりさわりのないところで、試験の科目でもきいてみよう>と思った。  私は「明日の試験は、何なの?」と言った。  祐美子は「数学と歴史」と言った。  私は<わあ、大変!苦手な数学があるんだ。それなのに、この子は、まだビデオを見るのやめようとしない。     全くどういうつもりなのかしら。でも、ここで怒ったら、私の負けだわ。     さりげなく、さりげなく>と思った。  私は「ふーん、大変ねぇ」と言った。  祐美子はテレビを見ていた。  私は<祐美子は何も返事しない。聞こえなかったんだろうか>と思った。  私は「数学があるんじゃ、大変ねっ!」と言った。  祐美子はテレビを見ていた。  私は<やっぱり返事しない。いくら、音楽が大きくても、今の声が聞こえない訳はない。     知らん顔を決め込んでいるんだわ。いったい、どうしたら、この子に勉強させることができるんだろう。     祐美子は、自分のことなのに心配じゃないのかしら?     平気な顔している、この子の神経が、わからない>と思った。  私は「祐美子、大丈夫なの?」と言った。  祐美子は「うるさいなあ!せっかくビデオを見ているのに。ほっといてよ。ママに関係ないでしょ!」と言った。  祐美子はビデオを止めた。  祐美子は立ち上がった。  祐美子はドアをバタンと乱暴にしめて、居間を出て行った。  私は<あの態度はなによ。そんなに怒ることないじゃない。自分が悪いのに。     私は、勉強しろとは言わなかったでしょ。試験の科目を聞いただけじゃない。     私がこんなに気をつかっているのに。ほんとうに、いい気なものだわ。     高校に行けなくなったって、もう知らないからね>と思った。  ☆★☆ たくさんの思いがあったんだ ☆★☆  この記述は、講座の先生に、何回も見ていただき、書き直した末に、やっと完成したものです。  初めの記述は、こんなに、具体的には書けていませんでした。  祐美子との会話を書くのが、やっとでした。  その時の自分の気持ちを表現する心のセリフが、ほとんど書けていなかったのです。  できた場面記述を、先生のお見せしたところ、先生から、さまざまな問いかけをいただきました。 「この時、お嬢さんの様子を見て、何か感じたことはありませんでしたか?」とか、 「どんな気持ちで、このセリフを口にされていたのでしょうか?」とかいうような問いかけを、  先生から受けるうちに、少しずつ、その時の自分の気持ちを言葉にすることができるようになってゆきました。  私は、自分の気持ちというものは、会話の中で、すべて言い表されているものだ、と考えていました。  けれども、先生から、この時の気持ちは?と、ひとつひとつ、丁寧に問いかけられることで、  実は、会話の一言一言の背後に、何らかの思いがひそんでいたことに気づきました。 “私は、いつでも何かを感じながら生きているんだ!”このことは、私にとって驚きでした。  よく考えてみれば、当然のことなのですが・・・。  自分の一言一言の背後にある思いを表現して、目の当たりにしてみると、  たったこれだけの会話の間に、自分がいかにたくさんのことを思いめぐらせていたのか、  ということに気づき、驚いてしまいました。  ☆★☆ 「祐美子さんは具体的にはどうしていたのでしょう」 ☆★☆  また、先生からの問いかけで、書き直した個所のうち、特に印象に残っているのは、  “祐美子はテレビを見ていた”という個所です。  ここは、初めの記述では、“祐美子は私の言葉を無視した”と書いていました。  それに対して、先生は「祐美子さんが無視している、と川口さんはお感じになったのですね。  具体的には祐美子さんは何をしていたのでしょう。  祐美子さんの具体的な様子を相手の欄に書き、それを見て、  川口さんがお感じになったことを自分の欄に、心のセリフとして書き入れてみましょう」とおっしゃったのです。  私は、初めは先生の言葉の意味が良くわかりませんでした。  先生から、祐美子の具体的な様子を書いて下さい、と言われても、  何を書いて良いかわからず、困ってしまいました。  祐美子は、事実、私の言葉を無視していたのです。  “祐美子は私の言葉を無視した”と言うのが、祐美子の具体的な様子なのではないか、私はそう思いました。  考え込んでいる私に向かって、先生はこうおっしゃいました。 「私の推測ですが、祐美子さんは、テレビを見ていたのではないですか?  それを見て、川口さんが《私の言葉を無視している》とお感じになったのではないでしょうか」  それを聞いて、私ははっとしました。  確かにこの時、祐美子はテレビを見続けていたのです。  それを見て、私は、<私の言葉を無視して!>と腹立ちを感じたのです。  私は早速、相手の欄に、祐美子はテレビを見ていた、と書き入れました。  すると、この時食いいるようにテレビの画面に見入っていた祐美子の様子が、鮮やかによみがえってきました。  そして、そんな祐美子を目にした時の気持ちもまた、具体的に思い起こされてきたのです。  ☆★☆ 祐美子の気持ちが全然わからない ☆★☆  先生の問いかけから、記述を書きふくらませることによって、私はたくさんのことに気づきました。                 以下、次号(後半)へつづく・・・    ・・★・・ 編集後記 ・・★・・  寒暖の変化を肌に感じながら  木々が芽吹き、花が咲いて、  陽射しに春の訪れを感じています。  春の訪れとともに、花は香りはじめ  冬から変化する頃を迎えています。  3月11日には  東日本大震災から12年を迎えました。   日々の生活の中で、  季節の変化、身体の変化に目を向けつつ  記憶をたどっています。  改めて、いま一度  何を大切にしていくか、  思い巡らせて、生活したいと思います。  ちょっと立ちどまり  深呼吸してみましょう。  自分の心の変化に  気づく機会になるかもしれません。  目まぐるしく過ぎてゆく生活の中で、  息を抜く時間を大切にしたいものです。  皆さまとご一緒に考える機会となれば、  嬉しく思います。  ご一緒に考えてまいりましょう。  次回を、どうぞ、お楽しみに!  皆様のご意見ご感想をお寄せいただけたら幸いです。  self_counseling2000@yahoo.co.jp  セルフ・カウンセリングには、  通学講座、通信講座など様々な講座があります。  詳しい内容はこちらから →http://www.self-c.net/sutady/index.html      →https://www.self-c.jp/study/self-counseling/  ご興味のある方は、下記の事務局までお問い合わせください。    一般社団法人生涯学習セルフ・カウンセリング学会  〒215-0003 神奈川県川崎市麻生区高石4-23-15  URL  http://www.self-c.net  電話 044-966-0485 ファクシミリ 044-954-3516  電子メール  self_counseling2000@yahoo.co.jp      ************************************** **************************************