※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                                            セルフ・カウンセリング          ♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪             ( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!) ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                     第 386 号  2023 年 4月   1日 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※    みなさん、こんにちは。    「 セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪ 」    をお読みいただきありがとうございます。    みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を    耳にしたことがおありですか?    これは、渡辺康麿氏が創案した、    書いて読む、一人で出来る自己発見法です。    私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、    みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、    同氏の著書を連載することにいたしました。    楽しくお読みいただけたら幸いです。   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜    連載になっております。興味のある方は、    バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。       1号〜    「自分の心に出会える本」     23号〜    「自己形成学の創造」     32号〜    「セルフ・カウンセリングの方法」     62号〜    「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」    136号〜    「大人の自己発見・子どもの再発見」 176号〜    「自分を見つける心理分析」 286号〜    「避けられない苦手な人とつきあう方法」    334号〜    「わかっていてもイライラするお母さんへ」    356号〜    「小学生にわかっていてもイライラするお母さんへ」    376号〜 新連載「反抗期とわかっていてもイライラするお母さんへ」  バックナンバーはこちら→ https://secure02.red.shared-server.net/www.self-c.net/mg/index.html   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜* ************************************** **************************************    人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、    いろいろな経験をします。        そして、その経験を通して、    「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう    その人なりのモノサシを形作っていきます。    自分の生い立ちを振り返ることによって、    無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、    そのとらわれから自由になっていく方法を    自己形成史分析といいます。    セルフ・カウンセリングという方法は、    このような、自己形成史分析という    自己探究の方法が基礎になっています。        ☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆    セルフ・カウンセリングでは、    自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。        家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。        テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、    相手がいない場面も大切な題材になります。    もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。    専門知識も必要ありません。        自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、    時間の順にそのまま書くと、リポートになります。    まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。    その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。        そして、相手の気持ちがわかります。        そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、    心を通わせてゆくための知恵が生まれます。        人間関係のすべてに共通する心のからくりを、    自分の経験を通して学ぶことができます。 ************************************** **************************************              「反抗期とわかっていてもイライラするお母さんへ」       中・高校生の心が見えてくるセルフ・カウンセリング                                  渡辺康麿著  より抜粋                         ( vol . 11 ) ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++          ─ お母さんたちのセルフ・カウンセリング体験記 ─             ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++          3 試験前にビデオなんか            見るなんて!                      抑えていたホンネが娘に            伝わっていたことに気づいて     川口奈津子           勉強したくてもできない娘の気持ちを受けとめよう!              ( 体験記 3 ー 後半 )   前号からの続きですので、バックナンバー385号から      お読みいただくとわかりやすくなっています。     ☆★☆ 祐美子の気持ちが全然わからない ☆★☆  先生の問いかけから、記述を書きふくらませることによって、私はたくさんのことに気づきました。  けれども、それでもなお、私の中に、残ってる疑問がひとつありました。  それは、なぜ、あの時、祐美子は怒って居間を出て行ってしまったのだろう、ということです。  確かにあの時、心の中では、私は試験勉強をしない祐美子に対していら立ちを感じていました。  けれども、そのいら立ちを祐美子にはぶつけませんでした。  試験の科目を聞いただけだったのです。  それなのに、祐美子は「うるさい!」と言って、部屋を出て行ってしまいました。  頭ごなしにどなられたのなら、祐美子がおこるのも無理ないことと思います。  けれども、どなられたわけでもないのに、なぜ、祐美子は、あんなに不機嫌になってしまったのでしょうか。  私は、次の講座の時に、先生に聞いてみました。 「先生。この時の自分の気持ちは、とても良くわかるのですが、祐美子の気持ちは、全然わかりません」と。  先生は、私の場面記述を見ながら、次のようにおっしゃいました。 「ご自分の気持ちはよくわかるけれど、お嬢さんの気持ちはわからない、とお感じになるのですね。  川口さんがお書きになった、この記述には、  川口さんのお気持ちが、とても具体的に、くわしく表現されていますね。  読ませていただいて、私にも、この時の川口さんのお気持ちが伝わってくるように感じました。  自分の欄には、自分の気持ちが心のセリフとして、とてもくわしく表現されています。  けれども、相手の欄には、相手の気持ちは全く書かれていませんね。  セルフ・カウンセリングの書き方のルールに、そのように定められているからです。  なぜだと思われますか」とおっしゃって、先生は私の顔を見ました。  何も答えられずに戸惑っている私に、先生は、次のようにお話なさいました。 「それは。相手の気持ちは、最終的には相手にしかわからないからです。  ですから、川口さんが、お嬢さんの気持ちがわからない、とおっしゃったこと、本当にもっともなことと思います。  確かに、相手の気持ちは、相手に聞いてみなければわからないのですが、  相手の気持ちを相手の立場にたって推察することはできます。  そのためには、記述をくり返し読み返すことが必要です。  先ず初めは、相手と自分とのかかわりを時間の順に読んでみましょう。  次に、自分の欄だけをくり返し読んで、ご自分の気持ちを、よく味わってみましょう。  それができたら、今度は、自分の欄の心のセリフを抜かして読んでみましょう。  こうすると、ご自分の言動が、相手にどのような印象を与えたかが、客観的に見えてきます。  そして、最後に相手の欄をくり返し読んでみましょう」  ☆★☆ 自分を許せるような気持ちになれた ☆★☆  私は、早速、記述を読み返してみました。  まず初めに、時間の順に、相手の欄と自分の欄を交互に読んでみました。  帰ってきて、祐美子が勉強していないことを知った時、私はまず驚きを感じました。  そして次に、私の胸の中には、失望の感情が湧き上って来ました。  それとともに、怒りの感情も起こってきました。  でも、私は、それを、自分の中に抑え込みました。  これまでに、私はそんな感情をそのまま祐美子にぶつけて、さんざん失敗してきたからです。  祐美子は気の強い子です。  私が頭ごなしに起こると、必ず逆襲してきて、大ゲンカになってしまうのです。  それで、まずは、祐美子の気持ちをあまり波立たせないように、  さしさわりのないことから話しかけてみようと考え、試験科目も聞いてみたのです。  試験科目の中には、祐美子の苦手な数学がありました。  私の中に、“早く勉強してほしい”というあせりの気持ちが再び頭をもたげました。  けれども、私は、その気持ちを抑えて、「大変ねぇ」と声をかけました。  私としては精一杯のやさしさを示したつもりでした。  ところが、祐美子はそれに答えようともせず、ビデオを見つめ続けていました。  そんな祐美子の態度に、私はいら立ちを感じました。  しかし、そのいら立ちも、何とか自分の中に抑え込み、  私はもう一度「数学があるんじゃ大変ね」と、声をかけました。  それでも、祐美子は、ビデオから目を離しません。  私のいら立ちは頂点に達しました。  とうとう自分の本音が出たのです。「大丈夫なの?」と。  ☆★☆ くり返し気持ちを抑えていた ☆★☆  次に、私の気持ちの流れに注目して、自分の欄を読んでみました。  本当は、私は、祐美子に「何やっているのよ!さっさと勉強しなさい!」とどなりつけたかったのです。  けれども、私は、その怒りの感情を、くり返し自分の中に抑え込んでいました。  抑え込んでは、頭をもたげ、抑え込んでは頭をもたげ、ということをくり返していたのです。  それだけではありません。  自分の怒りの感情を抑え込むたびに、かえって、怒りの感情が強まっている、ということに気づきました。  小さいころに聞いた昔話に、  池に浮んでいるたくさんのひょうたんをすべて沈めようとした大蛇の話があったことを思い出しました。  一つのひょうたんを沈めると、今度は、別のひょうたんが浮び上ってきます。  そんなことをくり返している中に、大蛇はくたびれはててしまう、というようなお話でした。  私も、同じようなことをやっていたんだな、と思いました。  何だか、自分が、とても不自然で無理なことをやっていたような気がして来たのです。  ☆★☆ 口で言わなくても伝わっていた ☆★☆  次に自分の欄の心のセリフを抜かして読んでみました。 「ただいま」 「祐美子、明日から試験でしょう?」 「明日の試験は、何なの?」 「ふーん、大変ねぇ」 「数学があるんじゃ、大変ねっ!」 「祐美子、大丈夫なの?」  私が祐美子に言った言葉はこれだけです。何だか、とてもあっけない感じがしました。  あれだけたくさんのことを思いながら、実際に私が話していたのは、たったこれだけだったのです。  けれども、その一言一言の裏には、実にたくさんの私の思いが込められていました。  字面だけ見ると、私は冷静に祐美子に語りかけているように見えます。  けれども、実は、そんな私のたくさんの思いが言葉のはしばしに出てしまっていたような気がします。  自分の気持ちを押し込めている緊張感のようなものが、言葉の調子に出てしまっていたように思うのです。  特に、「数学があるんじゃ、大変ねっ!」というセリフは、  もろに私の気持ちが出てしまっているように感じました。  なぜなら、もし、本当に祐美子のことを心配して言っているなら、  「大変ね」と穏やかに言葉をかけていただろうと思います。  それなのに、私は「大変ねっ!」ときつい口調で言っているのです。  私は、自分では自分のいら立ちを抑え込んでいるつもりでいました。  けれども、こうして自分が言ったことを拾って読んでみると、  自分の本音のところが、そのまま祐美子に伝わってしまっていたことがよくわかりました。  私は、勉強しろとは、確かに言っていません。  でも、口では言わなくても、祐美子には、一言一言が「勉強しなさい」と聞こえたのではないでしょうか。  しかも、直接、そう言われたなら、言葉で言い返すこともできますが、  そうではないので、そうすることもできなかったのです。  祐美子が、「うるさいな!」と言って、部屋を出て行った気持ちが、わかるような気がしてきました。  ☆★☆ 祐美子の中にもあせりがあったんだ ☆★☆  次に私は相手の欄だけ読んでみました。  祐美子は、ソファーに座ってテレビを見ていた。  祐美子は「おかえり。お腹すいたよ。早くご飯にして」と言った。  祐美子は「そうだよ」と言った。  祐美子は「数学と歴史」と言った。  祐美子はテレビを見ていた。  私は<祐美子は何も返事しない。聞こえなかったんだろうか>と思った。  私は「数学があるんじゃ、大変ねっ!」と言った。  祐美子はテレビを見ていた。  祐美子は「うるさいなあ!せっかくビデオを見ているのに。ほっといてよ。ママに関係ないでしょ!」と言った。  祐美子はビデオを止めた。  祐美子は立ち上がった。  祐美子はドアをバタンと乱暴にしめて、居間を出て行った。  祐美子は、自分でビデオをとめるまで、ずっと、テレビの画面に目を止めたまま、私と話していました。  この時は、自分の好きなバンドのビデオだから目が離せないんだろう、と思っていました。  けれども、こうして記述に書いて、この時のことを振り返ってみて、  そうではないんじゃないか、と思えてきました。  好きなビデオを見ているわりには、祐美子の表情が、ずっと堅かったことを思い出したのです。  にこりともせずに、まるで、ビデオから目を離したら、  いやなものが目に入ってしまう、と言わんばかりに、  身を堅くして、テレビの画面を見つめていた祐美子の様子が、ありありとよみがえってきました。  私は<あれ?     私は、これまで、祐美子は試験のプレッシャーなんてまるで感じずに、     平然としている、と思っていたけれども、本当はそうではなかったのかもしれない。     祐美子は、誰よりも、明日から試験だということを自覚し、緊張していたのではないかしら。     祐美子は、本当は勉強したかったのかもしれない。     したくてもなかなか出来ない自分にいら立って、ビデオに逃げていたのかもしれない>そう思えてきたのです。  そういえば、この出来事のあった二、三日前、祐美子は友達に電話をかけて、  『勉強にとりかかるまでが、大変なのよね。なかなかその気になれなくて』と言っていました。  それを聞いて、その時は、  <何を甘いことを言っているんだろう。   そんなこと言っていないで、とにかく、やり始めればいいのに>と思いました。  でも今は、勉強の習慣のついていない子にとっては、  勉強にとりかかるまでが大変だということが、理解できるような気がしてきました。  ☆★☆ 祐美子のために何ができるのだろう ☆★☆  では、これから、私は、一体、祐美子に対してどう接したら良いのでしょうか?  何も言わずに、黙って見守っていれば良いのでしょうか?  私は、それではいけないように感じました。  なぜなら、祐美子の中に、  勉強したいけれどもできない、という葛藤する思いがあるかもしれない、と気づいたからです。  なにかをしたい、と思いながらそれができない苦しさは、私にもよく理解できます。  私自身も、そんな思いをよく味わって来たからです。  <祐美子の中に自分の気持ちもと葛藤する苦しさがあるのなら、   その苦しさを乗り越えてゆくために、何か手伝えることはないだろうか>  そんな気持ちが私の中に起こって来たのです。  ☆★☆ 祐美子の気持ちを聞いてあげよう ☆★☆  私は、これまでも探究で気づいたことをまとめ、手紙を添えて、講師の先生に郵送してみました。  手紙の中には、祐美子のために何かをしてやりたいと感じていることを書きました。  しばらくして、先生から返事が返ってきました。  早速、私は、それを読み始めました。  文面から、  私の気づきの一つ一つをていねいに受けとめてくださっている先生のお気持ちが温かく伝わってきました。  そのお返事の最後の方には、こんなことが書かれていました。 「川口さんは、この出来事を見つめて、  ご自分の中に、自分でも気づかない気持ちがたくさんあることに気づかれたことと思います。  私たちは、実にさまざまな思いを抱きながら生きています。  けれども、そのことに、普通は気づいていません。  ただ、はっきりは気づかなくても、  自分の中に割り切れない思いがある時は、何とはなしの落ち着かなさを感じているものなのです。  お嬢さんは、まさにそんな気持ちでいるのではないでしょうか。  それでは、そんな時は、どうすればよいのでしょうか。  川口さんは、セルフ・カウンセリングを試みてみて、  ご自分の気持ちを表現することで、お気持ちがどのように変わっていった、と感じていらっしゃいますか?  私は、自分の気持ちに表現がつくようになればなるほど、  お気持ちが落ち着かれていったのではないかと推察したのですが、いかがでしょうか。  もし、そうであるなら、それは、お嬢さんにとっても全く同じことです。  もし、お嬢さんご自身が、  ご自分の中に、自分でも気づいていない気持ちがあることに気づき、それに表現を与えることができれば、  お嬢さんのお気持ちは落ち着いてゆくことでしょう。  そして、その気持ちの落ち着きから、ご自分の中の葛藤をどう克服していけばよいのか、  と言う知恵が、お嬢さん自身の中から生まれてくるのです。  もしよかったら、お嬢さんに、勉強したくてもできないお気持ちをお聞きになってみてはいかがでしょう。  今の川口さんでしたら、お嬢さんの心を開かせるように問いかけることができるように思うのですが」  私は、本当にそのとおりだと思いました。  私は、セルフ・カウンセリングの方法で、自分の気持ちを表現することによって、  心が落ち着いてゆくことを経験しました。  もし、こんな感じが祐美子の中にも起こり得るなら、  きっと祐美子は、自分の問題を自分で解決することができるだろう。そう思いました。  近いうちに、タイミングをはかって、祐美子と話す時間をとってみたいと思っています。  どんな順序で話しかけていったらいいか、今、あれこれと考えています。  うまくいかなかったらどうしよう、と思うと、ちょっと不安になりますが、  その時には、また、その時のことをセルフ・カウンセリングの形で書いてみれば、  どうすればよいかは見えてくると思います。  そう思うと、たとえ失敗しても、  とにかく、祐美子の気持ちを聞いてみようという勇気が、自然に湧いてくるのです。                            つづく・・・  次回は    「 お母さんたちのセルフ・カウンセリング体験記 4 」    をお送りいたします。        どうぞ、お楽しみに!    皆様のご意見ご感想をお寄せいただけたら幸いです。  self_counseling2000@yahoo.co.jp  セルフ・カウンセリングには、  通学講座、通信講座など様々な講座があります。  詳しい内容はこちらから →http://www.self-c.net/sutady/index.html              →https://www.self-c.jp/study/self-counseling/  ご興味のある方は、下記の事務局までお問い合わせください。    一般社団法人生涯学習セルフ・カウンセリング学会  〒215-0003 神奈川県川崎市麻生区高石4-23-15  URL  http://www.self-c.net  電話 044-966-0485 ファクシミリ 044-954-3516  電子メール  self_counseling2000@yahoo.co.jp      ************************************** **************************************