※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                                            セルフ・カウンセリング          ♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪             ( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!) ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                     第 388 号  2023 年 5月   1日 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※    みなさん、こんにちは。    「 セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪ 」    をお読みいただきありがとうございます。    みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を    耳にしたことがおありですか?    これは、渡辺康麿氏が創案した、    書いて読む、一人で出来る自己発見法です。    私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、    みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、    同氏の著書を連載することにいたしました。    楽しくお読みいただけたら幸いです。   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜    連載になっております。興味のある方は、    バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。       1号〜    「自分の心に出会える本」     23号〜    「自己形成学の創造」     32号〜    「セルフ・カウンセリングの方法」     62号〜    「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」    136号〜    「大人の自己発見・子どもの再発見」 176号〜    「自分を見つける心理分析」 286号〜    「避けられない苦手な人とつきあう方法」    334号〜    「わかっていてもイライラするお母さんへ」    356号〜    「小学生にわかっていてもイライラするお母さんへ」    376号〜 新連載「反抗期とわかっていてもイライラするお母さんへ」  バックナンバーはこちら→ https://secure02.red.shared-server.net/www.self-c.net/mg/index.html   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜* ************************************** **************************************    人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、    いろいろな経験をします。        そして、その経験を通して、    「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう    その人なりのモノサシを形作っていきます。    自分の生い立ちを振り返ることによって、    無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、    そのとらわれから自由になっていく方法を    自己形成史分析といいます。    セルフ・カウンセリングという方法は、    このような、自己形成史分析という    自己探究の方法が基礎になっています。        ☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆    セルフ・カウンセリングでは、    自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。        家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。        テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、    相手がいない場面も大切な題材になります。    もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。    専門知識も必要ありません。        自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、    時間の順にそのまま書くと、リポートになります。    まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。    その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。        そして、相手の気持ちがわかります。        そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、    心を通わせてゆくための知恵が生まれます。        人間関係のすべてに共通する心のからくりを、    自分の経験を通して学ぶことができます。 ************************************** **************************************              「反抗期とわかっていてもイライラするお母さんへ」       中・高校生の心が見えてくるセルフ・カウンセリング                                  渡辺康麿著  より抜粋                         ( vol . 13 ) ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++          ─ お母さんたちのセルフ・カウンセリング体験記 ─             ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++          4 皆にできることは、            あなたにもできるでしょ!                      自分のモノサシで            息子をしばっていたことに気づいて    田村恵美子            息子には息子の良さがあったんだ!              ( 体験記 4 ー 後半 )   前号からの続きですので、バックナンバー387号から      お読みいただくとわかりやすくなっています。  ■ 場面 〈2〉  やめられたら、どんなに楽かな 【場面説明】  夕食を食べた後、洋一の部屋で。  夕食後、いつもは、しばらくテレビを見ている洋一が、  その日は、夕食を食べ終ると、すぐに自分の部屋に引き揚げた。  また、野球部のことで悩んでいるのではないかと心配になり、私は洋一の部屋に行ってみた。 【場面記述】  私は、洋一の部屋へ入って行った。  洋一は、ベッドにねころんで、本を読んでいた。  私は「ねぇ、洋一。お母さん、考えたんだけど、つらいのなら、部活をやめたら?」と言った。  洋一は「うるさいな。うるさいよ」と言った。  私は<えー!どうして?つらいから、やめたいって言っていたじゃないの>と思った。  私は「それで大丈夫なの?つらいんじゃない?」と言った。  洋一は「頑張れって言ったり、やめろって言ったりお母さんのいうことはメチャクチャだな。      もう、いいよ。ほっといてよ。あーあ、野球部をやめられたら、どんなに楽かなあ。      でも、やめられないよ」と言った。    私は<確かに、、メチャクチャだけど・・・。     でも、せっかく、やめても良いって言ってるのに、なんでやめられない、なんて言うのかしら?>と思った。    私は「どうして、やめられないの?」と言った。  洋一は「今やめたら、負け犬になる。野球部のやつらは、きっと、僕のこと負け犬だって思うよ。      お父さんだって、お母さんだって、僕のこと負け犬だって思うでしょう?      僕は、負け犬だと思われるのは嫌だ。そんなの、みじめだよ」と言った。  洋一のほおを、大粒の涙が流れた。  私は<負け犬・・・。そうか、そんなふうに感じていたのか。ショックだわ。    『お父さんもお母さんも、洋一のこと、負け犬だなんて思わないよ』って言ってやろうか。     でも、私たちは、いつも洋一に、『一度始めたことは、最後まで続けなさい』    『自分で決めたことは、どんなにつらくても最後までやり通さなくてはいけない』と言い続けてきた。     そんな私が、負け犬だなんて思わない、と言ったところで、そらぞらしいだけだ。     どうしよう。何て言ってやればいいんだろう>と思った。  この後、私は何も言えなくなってしまいました。  しばらく、私は<どうしたらいいんだろう。本当にどうしたらいいんだろう>と思いながら、  洋一の後ろに立っていました。  そして、洋一の「もういいから・・・」と言う言葉をきっかけに、  逃げるようにして、洋一の部屋から出てゆきました。  ☆★☆ 息子のうちから、より深いところにある思いが出てきた ☆★☆  次の講座の日、私はこれまで書いた二つの記述を、先生にお見せし、  これからどうすれば良いのか、相談にのっていただきました。  先生は、私が書いた二つの場面をお読みになり、こうおっしゃいました。 「息子さんとのかかわり、とてもリアルに書けていますね。  問題の渦中になって、そのときのやりとりをリアルに書く、ということは、とても難しいことです。  問題の渦中にある時、私たちは、強い感情の渦に巻き込まれ、自分自身を見失いがちだからです。  自分自身の気持ちを見つめようと思っても、それが見えてこないことが多いのです。  そんな状況の中で、田村さんが、客観的にこのときのことを振り返ろうとされたこと、  本当にすばらしいことと思いました。  田村さん。田村さんは、初めの記述を書いて繰り返し読むことで、  ご自分のなかに、自分のやって来たこと、  つまり、身体の弱かった洋一さんを丈夫にするよう努力してきたことは  正しいと思いたいと言う思いが隠されていたことに気づかれたのですね。  そして、その思いに気づかれたことで、その思いのとらわれから自由になり、  息子さんが野球部を続けるか否かは、そんなに大きな問題ではない、と思えるようになったのですね。  それは、とても深い探究をなさいましたね。  この探究によって、お気持ちが落ち着かれたこと、私もうれしく思いました。  ところが、いざ、野球部をやめてよい、と息子さんに言ったところ、  息子さんは、逆にやめない、と言い張るので、びっくりしてしまわれたのですね。  それで、何も言えなくなってしまったのですね。  せっかく、息子さんの気持ちを受けとめてやりたいと、  心から思い、ご自分から息子さんに働きかけたのに、  思いがけない言葉が帰ってきて、さぞ驚かれたことでしょう。  また、残念に思われたことでしょう。  田村さんは今、  <息子にあんなことを言わなければ良かった>という後悔のお気持ちを抱いておられるかもしれませんね。  けれども、私は記述を読ませていただき、  田村さんの働きかけはとても良かったのではないかな、と感じています。  息子さんは、初めは、“野球部の練習についていけない”と言うことを訴えておられました。  それが、今回は、“負け犬と思われたくない”と訴えておられます。  私は、今回、息子さんが訴えた気持ちの方が、  初めて訴えてきた気持ちよりも、より深いところで、息子さんを苦しめている思いなのではないかな、と思います。  私たちは、誰でも、自分の心のうちに、自分自身のネウチをはかるさまざまなモノサシを持っています。  息子さんは、“何かを途中で止めることは、負け犬になることだ”と感じておられるようですね。  息子さんの中には、“最後までやり通すことができる”ことを善しとする強いモノサシがあるのだと思います。  野球部をやめれば、そのモノサシで、自分自身を否定的に評価せざるをえなくなります。  野球部をやめたいけれどやめられない、という複雑な葛藤の中で、  息子さんは苦しんでおられるのではないでしょうか。  その、深いところにある葛藤を、  息子さんが、田村さんとの会話の中で表現することができたのは、とても良かったと思います」  ☆★☆ 私自身のモノサシも見えてきた ☆★☆  「ところで、田村さんは、記述の中で、 “私が負け犬なんかじゃない、と言ったってそらぞらしいだけだ”と書いておられますね。  田村さんのなかにも、野球部をやめることは負け犬になることだ、というお気持ちがおありになるのでしょうか。  もし、そうであるなら、田村さんご自身のなかにも、  “最後までやり通すことができる”ことを善しをするモノサシがあるのかもしれませんね」  私は、<あっ>と思いました。  確かに、私の中にも、野球部をやめることは負け犬になることだ、という思いがありました。  ただ、洋一がどうしてもついていけないのなら、  負け犬になっても良いからやめさせてやりたい、と思ったのです。  けれども、そう思っても、  どこかで、“負け犬になる”ということは、引っかかっていたのだと思います。  だから、洋一の『負け犬になりたくない』と言う言葉に私は何も言えなくなってしまったのではないでしょうか。  黙り込んでしまった私に、先生は、続けて、こうおっしゃいました。 「私たちが、さまざまなモノサシを持っている、ということは、人間として当然のことです。  モノサシを持っていること、  また、それで、自分で自分以外の人のネウチをはかることはけっして悪いことではありません。  ただ、自分がどのようなモノサシを持っているか、ということに気づいていないと、  モノサシに縛られてしまうことがあります。  あたかもそのモノサシが、絶対的に正しいもので、  そのモノサシに合わなければ、人間として価値がない、というような気持ちにまでなってしまうのです。  けれども、私たちのモノサシは、私たちが過去の人間関係から、自ら取り入れてきたものです。  それは、けっして、絶対的なものではないのです。  そのことを自覚することができれば、モノサシのとらわれから自由になることができるのです。  もしよろしかったら、まず、田村さんご自身が、ご自分のモノサシを見つめてみませんか。  せっかく、ここに、田村さんがお書きになった記述が二つあるのですから、  この記述をお読みになって、ご自分自身のモノサシが現れているな、と感じられる個所があれば、  書き抜きをしてみましょう。  そして、そのモノサシが、  過去のどなたとのかかわりから取り入れたものなのかも、ちょっと思い返してみましょう」  私は、何だかいても立ってもいられないような気持ちになりました。  すぐにでも、自分自身のモノサシをはっきりさせてみたい、と思いました。  もし、私が自分のモノサシを見つめることで、そのとらわれから自由になることができたなら、  同じ方法で、洋一も解放させてあげることができるかもしれないのです。  私は、早速、二つの記述を読み始めました。  ☆★☆ 父の言葉が、モノサシとなっていた ☆★☆  まず、初めの記述を読んでみて、  <“頑張る”という言葉と、“我慢する”という言葉が、繰り返し出てくるな>と感じました。  次に、二番目の記述の中の、 『一度始めたことは、最後まで続けなさい』 『自分で決めたことは、どんなにつらくても最後までやり通さなくてはいけない』という部分を読んだとき、  <ああ、これらはすべて、私が父から言われたきた言葉だ>と気づきました。  私の父は、自分の親を早くに亡くし、  奨学金をもらったり、アルバイトをしたり、苦労しながら、自分の力で大学まで出た人です。  その父は、いつも 『自分がこうと決めたら、絶対にあきらめてはいけない。  どんなにつらくても我慢して頑張りなさい。  ひとつのことを最後まで続けられないような人間は、どんなことをやっても長続きはしない。  そういう人間を、中途半端な人間と言うんだ』と私に言っていました。  その父の言葉から、私の中には、“頑張る”ことや“我慢する”こと、 “一度決めたことを最後まで続ける”ことを、善しとする考え方が、いつしか育ったのではないでしょうか。  自分の力だけを頼みに、ここまで来た父にとって、  これらのことは、生きていくうえで一番大事な哲学だったのかもしれません。  ただ、それを盲目的に受け入れ、それを、洋一にも受けついでいくことに、私は疑問に感じました。  <もうちょっと、その時その時の状況というものを考えてもよいのではないかしら。   自分にとって、本当に大切なことがらに関しては、確かに、ある程度の頑張りや我慢は必要だと思うけれど、   それを見きわめずに、何が何でも頑張れ、というのはナンセンスだわ>  そう思えてきたのです。  そして、それと同時に、  <このように感じられるようになることが、   モノサシのとらわれから自由になる、ということなのかもしれないな>とも、感じられました。  ☆★☆ 自分にとって大切なものについて、一緒に考えてみませんか? ☆★☆  私は、今、洋一に手紙を書いています。  今回、私が自分のモノサシについて、気づいたことを書きつづっているのです。  私の父のこと。私と父とのかかわりのこと。私自身のモノサシのこと。  どこまで、洋一に伝わるかはわかりませんが、  洋一が洋一自身を苦しめているモノサシについて、考えてみるきっかけになれば、と思っています。  そして、洋一が自分を縛っているモノサシに気づき、そこから自由になれば、  野球部をやめるにしろ、続けるにしろ、  自分自身に納得のいく結論を、自ら出すことができるのではないでしょうか。  手紙の最後には、こんな言葉を書こうと思っています。 「お母さんは、こんなふうにして、自分のモノサシを見つけてみました。  洋一の中には、どんなモノサシがあるのでしょう。  良かったら、自分で考えてみませんか。  お母さんもそのお手伝いをしたいと思います。  自分にとって大切なものについて、一緒に考えてみませんか?」と・・・。                           つづく・・・  次回は    「 親子で学ぶ セルフ・カウンセリング体験記 2 」    をお送りいたします。        どうぞ、お楽しみに!    皆様のご意見ご感想をお寄せいただけたら幸いです。  self_counseling2000@yahoo.co.jp  セルフ・カウンセリングには、  通学講座、通信講座など様々な講座があります。  詳しい内容はこちらから →http://www.self-c.net/sutady/index.html              →https://www.self-c.jp/study/self-counseling/  ご興味のある方は、下記の事務局までお問い合わせください。    一般社団法人生涯学習セルフ・カウンセリング学会  〒215-0003 神奈川県川崎市麻生区高石4-23-15  URL  http://www.self-c.net  電話 044-966-0485 ファクシミリ 044-954-3516  電子メール  self_counseling2000@yahoo.co.jp      ************************************** ************************************** ◎このメルマガに返信すると発行者さんにメッセージを届けられます ※発行者さんに届く内容は、メッセージ、メールアドレスです